「うやぬ なしうかぎ」私たちを育ててくれた地域住民の方へ心を込めて恩返し
沖永良部徳洲会病院 看護部長 吉田弘喜
鹿児島から約536km、南の海に浮かぶ沖永良部島は、豊かな自然をそのまま残す「花と昇竜洞の島」として全国に紹介されています。
この島に「島民の生命と健康な生活を守る為」島唯一の病院として当院が立てられました。
温暖な気候に育てられた島民は人懐っこく、温かく、そして人情味豊かな人たちばかりです。病院の中も都会の慌ただしい雰囲気と違い、自然と温かくゆったりとした空気に包まれています。
平成29年12月1日、当院は新しい病院での業務をスタートしました。離島の病院の中で先陣を切っての建て替えです。
毎年襲来する台風の影響でシミやカビの生えた壁や天井が見違えるように真っ白に光沢を放ち、8人床から4人床へと療養環境が格段によくなりました。島に一つしかない病院として生まれた当院も28年の歳月を経て島民になくてはならない病院となりました。
これからの私たちには、生まれ変わった病院の機能をどのように島民に提供し、島民のトータルヘルスケアの向上につなげていくのか、そしてこの病院を次世代に残していかなければならないという大切な役割が課せられます。「うや(親)ぬ な(産)しうかぎ(おかげ)」です。私たちを育ててくれた地域住民の方へ心を込めて恩返しをしていきます。
病棟紹介
3階病棟
【病棟目標】
① ワーキンググループ活動を通し、全スタッフが病棟運営に参加できる
② 受け持ち制により、入院時から退院後の生活を見据えた支援ができる
【職員配置】
看護配置 : 10 : 1
看護方式 : チームナーシング 継続受け持ち看護
【病棟概要】
3階病棟は、HCU6床と一般病床を含む61床です。
一般病床は3階病棟のみであるため、内科・外科はもとより、整形外科や産婦人科・小児科と様々な診療科の治療を受け入れています。
そのため診療科を超えて幅広く学べる機会と、様々なライフステージにある患者様の看護提供を経験できることも魅力です。
常勤看護師はもとより応援看護師の力をもらいながら協力して病棟運営をおこなっております。
応援看護師のフレッシュさと和気あいあいとした賑やかな雰囲気のある病棟です。
4階西病棟(医療療養)
【病棟目標】
① 看護師・看護補助者間の情報共有を充実させ、継続したケアを提供することができる
② 思いやり・優しさをもってケアを提供する
③ 働きつづけやすい職場環境づくり
【職員配置】
看護配置20:1、看護補助者、介護福祉士
【病棟概要】
4階西病棟は40床の医療療養病棟です。
医療的処置・ケアが必要で、自宅退院・施設入所が困難な患者さんが入院しています。
ADL全介助の患者さんが多いのでケア度は高めですが、長期入院の方が多いので、じっくり看護を行うことができます。
経管栄養を必要とする患者さんが半数以上であり、特定行為研修終了看護師が定期的に胃瘻交換・気管カニューレ交換・膀胱瘻交換を実施しています。
療養病棟のため看護補助者の割合が高く、看護師・看護補助者間の情報共有を充実させています。また、常勤看護師だけでなく、応援看護師も配置されているため、相談しやすい職場づくりをすることを心がけています。
4階東病棟 (地域包括ケア)
【病棟目標】
①入棟時当日から退院を見据えた看護展開
②患者さん個々のニーズに合わせた個別ケアの実践
③患者さんが在宅(施設)復帰後もその人らしく生活できる身体と、生活環境を整えた上で退院できるよう他職種と連携を図る
【職員配置】
看護師15:1 看護補助者2名
【病棟概要】
4階東は、令和5年7月1日より開設された32床の地域包括ケア病棟です。
当病棟は、急性期治療を終了された患者さんで、すぐに在宅や施設へ退院するには難渋な患者さんに対し、医療管理・診療・看護・リハビリテーション等を行い、安心して退院して頂けることを目的とした在宅復帰支援を行う病棟です。
介護者の休養や、介護者が一時的に不在となる方の一時的入院にも対応しています。病棟で働く私たちは、退院を見据えた看護展開、入院前の生活状況を把握した上での退院調整、他職種との円滑な連携のためのコミュニケーション能力、様々な疾患の知識が必要になります。
スタッフ皆で協働して患者のニーズに応えるべく日々奮闘しております。
看護のやりがいを感じる事が多く、初めてこの仕事が楽しいと感じたスタッフも複数名います。
大切なスタッフがずっと生き生きと働き続けられるような職場環境を目指して、皆で一丸となり精進していきます。